回収
着古したセーターや、縫製工場の裁断くず、紡績工場の落ちわたなど、廃棄される羊毛繊維を全国各地から集め、原料として尾州産地に集められます。
RE:NEWOOL®(リニュール)は、ウールに強い瀧定名古屋が開発するファッション性の高いリサイクルウールです。小ロット生産で無駄を抑えられ、安定した物性を持つ、尾州産のウール混紡商品です。回収衣料や未利用糸を反毛加工した原料を使っているため、ニューウールを使った場合に比べて水の使用や移動・生産エネルギーが削減でき、CO2の排出を減らせるサステナブルなファッション素材です。







現在のファッション用のウールの主な生産地はオーストラリアとニュージーランドです。そこで生産された羊毛はほとんどが中国に輸送され、洗浄されてからトップと呼ばれるワタの状態になります。それから紡績されて、織物・編み物と製品が作られるわけですが、日本にはこのトップや紡績糸、織編み物の形で輸入されます。
ウールは、産地から直接日本に来るわけではなく、中国を経由して加工されて到達するわけです。国内で消費者が廃棄したウールの衣料をリサイクルすると産地での羊の育成と毛刈り、中国への輸送、羊毛の洗浄とトップメイキング、さらにそこから日本への輸送に使うエネルギーや労働力を大幅に減らすことができ、これは直接CO2の削減となります。
RE:NEWOOL® は、回収された服や残糸が元々持っている色を使います。 改めて染め直しすることは少なく、染色工程が省かれるため、ニューウールで服を作るよりも水やエネルギーの使用が減ります。職人が反毛ワタの色見本を何色も混ぜ合わせて、理想の色を作る技術は正に神業です。
この調色という工程を経て RE:NEWOOL® の色糸が作られています。人の手で色分けされることで、彩度の高い糸をつくり出すことができ、手作業で不要物を取り除くことで、質の高いウールを生むことができます。リサイクルウールを作る知恵と技は尾州で古くから培われてきたものです。我々は RE:NEWOOL® で尾州産地の活性化を図ります。
着古したセーターや、縫製工場の裁断くず、紡績工場の落ちわたなど、廃棄される羊毛繊維を全国各地から集め、原料として尾州産地に集められます。
集めた原料は一つ一つ人の手によって仕分けられます。羊毛混率の高い糸を作る為に繊維を選り分け、色を整えることで、染めなくても使用できる、環境負荷の少ない糸を作ることができます。
色分けされたウールの生地や古着は、繊維くずを取り、ネームやボタンなどウールと違う部分を切り取る作業へと移ります。この後行う反毛行程のために必要のない部分をここで一つ一つ手作業で取っていきます。
ウールのリサイクルのために、こういった細かな工程における丁寧さが後の上質なクオリティにも繋がっています。この丁寧さも、他国では出来ない日本の尾州の誇れるところです。
生地を裁断機にかけて、ある程度まで細かくします。そして細かくなった生地に、特殊な専用の油をかけます。油打ちされた生地は全体に馴染むようにおよそ2日程寝かされ、油が染み込んだ生地は、手でも簡単に千切れるくらい柔らかく変化します。
細かく粉砕された後、
ラック機、反毛機の順に繊維をほぐします。
集められた糸や生地は 19 世紀に発明された「反毛機」によって繊維がほぐされ、わた状にされます。
左から粉砕後、ラック後、反毛後ふわふわのワタになります。
染料を使用せずに反毛で出来たワタを調合することで色作りをしています。 回収セーターの色を利用することで、染色に使う水を削減するばかりか、生地の生産時間を減らすことができます。複数の色を組み合わせて狙った色を作っていく技術は正に尾州で受け継がれてきた伝統の職人 ワザです。
希望の色は、長年の配合レシピをもとに、膨大な色見本から何色ものワタを少量ずつ選び取り、デジタルスケールで重さを確認しながら狙った色になるように配合率を決めます。
「スラッピング」と呼ばれる針付きブラシで梳くように混ぜ合わせて色を合わせます。最後の微調整は職人の経験と感性。希望に近いピンクを作る際も、単調でない色の深みを出すためにイエローやダークブラウンを加えることで、奥行きのある色合いが生まれます。
調合した色見本のワタはお湯と石鹸で洗って縮絨させます。お湯で洗っているので作業中は暑くなります。職人さんの手までピンク色に。この後アイロンで乾燥させてフェルト状にし、生地にした時の色味を確認します
色を調合したワタは、リサイクルの化学繊維を少量ブレンドして、強度と風合いを備えた糸に紡績します。その後「製織」「製編」され、油や 汚れを洗浄し、風合いを整えて完成します。500kg の糸を作る本番の糸つくりでは、調合した色の割合の通りに色ワタを投入して紡績します。
尾州で再生した糸はそのまま尾州で生地になります。生地がイメージ通りに仕上がるように職人が長年の経験で、機織り機を調整し、糸を変え柄を表現します。
最後に途中で加えたオイルや汚れを洗浄し、風合いを整えて完成です。
出来上がったピンクの糸と、同じようにリサイクルされた白やグレーの糸を組み合わせて表情豊かな生地を作りました。